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平成10年8月29日土曜日

●雨・雨・雨・・・

「生田原です。降り口は…。」という放送を聞きながら目を覚ましました。ちょっと遅れているようです。生田原(いくたはら)といえば、ここから常紋峠(じょうもんとうげ)を越えるわけです。前回北海道に来たときは、次の金華(かねはな)で降りてその次の留辺蘂(るべしべ)までバスで行ったりとしました。そのあたりを車内から見ようと、しばらく起きていることにしました。列車は、遅れを取り戻す気もないようにゆっくり走っていきます。峠を越えて、金華駅の手前で常紋峠慰霊碑が立っています(ちょっと車窓からは見にくい位置にありますけど)。大変な工事だったそうで、やはり大変なことがあったそうです。しばらくして留辺蘂に到着。ポツポツと目を覚ます人が出てきます。しばらくして車掌も回ってきました。

「大雨の影響で25km/hで運転しています。」

え!?「釧網線に間に合いますか?」
「さぁ、ちょっとわかりません」
先行きがあやしくなってきます。
 北見でM1の榎くんと2回生の北川くんが降りていきました。ちほく線で池田に抜けるそうです。この段階で、ちほく線がどうなっているかなんて、全然知りませんでした。
 どこまでも25km/hで走っていき、呼人に運転停車。対向のオホーツク2号、さらには普通列車にまで待って、遅れが更に広がります。その頃、同行の2回生佐藤くんが携帯電話に入っていた留守電を聞いていました。それは北見で降りた北川くんからので、なんと、

ちほく線が動いていない!

そうです。あの2人の運命は??結局、我々が網走に到着したのは、定刻から1時間15分遅れて7:30でした。
 網走駅の改札口で分かったこと…なんと、

釧網線が動いていない!!

我々7人は今晩帯広に行かなければならないんですが…。
しかも、倒木があったとかで

石北線もしばらく動かない!!!

ががが~ん! 右にも左にも鉄道では行けなくなってしまいました。待合室のテレビのニュースは主に関東や東北の状況を報道しています。たまに道内のニュースが流れて、鉄道の不通や国道の通行止めなんかにもふれています。この時、他の人たちは、北見で降りて旭川に向かっている2人、前日に旭川に泊まっていた1人、そして、前日に札幌に泊まっていた数人と行方が判っていない数人でした。携帯電話で連絡を取り合うと、それぞれ何とかして帯広にたどり着こうということになりました。我々はレンタカーを借りて行くことにしました。網走で借りて、帯広に乗り捨てることにします。2台借りて、3人と4人で分かれて行くことにしました。札幌のメンバーは旭川に出てレンタカーを借りるようです。やっぱり、根室線は止まっているようです。石北線は一応運転を開始したようで、「オホーツク4号」がゆっくりと出発していきました。
 私の乗る車の運転手は3回生の野村くんです。安全運転でお願いします。しばらくして、「オホーツク4号」を発見。とってもゆっくりと(おそらく25km/h制限で)走っているため、あっさりと抜いてしまいました。しばらくして石北線と分かれ、ちほく線沿いに帯広の方へ向かいました。基本的に国道を通って行きますが、所々通行止めになっていて迂回させられます。通行止めの原因は、道路の冠水のようです。どうやっても通れそうにないところなどがあり、豪雨の凄さを物語っています。また、道路に沿って

数日まで川だったと思われるもの

があるんですが、濁流が溢れに溢れて道路のすぐそばまで迫っています。橋を渡るときなど、桁のすぐ下を泥色の濁流が流れています。また、並行するちほく線のほうも、ガーダー橋の桁下1メートルにも満たないところまで水が溢れています。そりゃ運休にするわ…。途中で車を止めて、経路を考えていると…ちほく線を黄色いモーターカーがすっ飛ばして行きました。

しまった、カメラを構えていなかった!!

…って、来ることが判っていたら構えてますがな。
 しばらく走って行くと、交通整理の人から「帯広?池田回りなら行けるよ。」と言われました。真っ直ぐ帯広に向かっても時間がありそうだったので、池田に寄っていこうと言っていたところなので、好都合です。そのまま池田に向かって、昼食を摂ることにします。もうしばらく走って、根室線を越えると…な、なんと、

列車が動いている!

ではないですか。池田の駅に行ってみると、どうやら釧路行きのようです。ということは復旧したんでしょうか。ところで、こんな非常時に不謹慎かもしれませんが、池田で硬券入場券を所望すると、快く販売してくれました。受け取って裏を見ると、なんと赤線入りです。赤線とは、その種類の切符のその日のその駅の1枚目の販売となる切符に引かれているものです(正確には前日の売れ残りのもっとも番号の若いものです)。まぁ、今日入場券を買いそうな人たちはここまでたどり着いていなさそうですから。
 とりあえず池田のワイン城へ行ってそこで昼食を摂って、ワインを頂くことにしました。車を停めて、我々は敗北感の中にひとときの安らぎを求めて、ワイン城内のレストランへ向かいました。ところがそこのメニューに書かれていた金額を見てビックリ。

昼食に何千円もかけられるか!!!

…ということで、一旦駅のほうへ戻って、何か食べれそうなところを探すことにします。
 附近をウロウロして、「日替わりランチ680円」と大きく描かれていたところに決定し、近くの農協の駐車場に車を停めます。土曜日で農協も休みのようですし。とりあえず昼食にありつけました。出てくるまでちょっと時間がありましたが、なかなかいい店でした。池田駅徒歩すぐのNIKOという店です。食事中にOBの盛田さんから電話がありました。14時過ぎに帯広を出る列車で池田駅にいらっしゃるそうです。そして、我々が食事を終えて駅に向かう途中にまた電話があり、ちょうど今池田駅に到着したそうです。なんてタイミングがいいんだ!盛田さんを拾って、ワイン城に向かいました。
 ワイン城ではワインの試飲ができました。私は少し疲れていて、あまり飲む気はしなかったので1杯にしておきましたが、2回生の田中くんは何杯も飲んでいたようです。

よ~やるわ。

しばらく丘の上にあるワイン城から景色を見てから、再び車に乗って帯広に向かうことにします。しかし、このへん、あんまり記憶がありません。ウトウトと眠っていたようです。
 もともとの集合時間は帯広駅に17:40でした。我々は16:30頃に着いて、何人かがレンタカーを返しに行きました。駅前で荷物番をしていながら、近くの建物へトイレに行った佐藤くんが血圧を測ってきていたので、私も行ってみることにしました。血圧計はトイレにではなく、その近くのケーブルテレビの宣伝所みたいなところに置かれていました。
 しばらくして、帯広駅に榎くんが到着しました。札幌組は直接宿の方へ向かったそうです。私たちは宿(国民宿舎新嵐山荘)のマイクロバスで宿に向かいました。
 宿に着くと、しばらくして札幌組が到着しました。彼らはレンタカーを24時間借りて、明日の13時までに旭川に返さないといけないそうです。私たちはまずお風呂に入って、それから食事にしてもらいます。この段階でまだ着いていなかったのが2人いましたが、1人は釧路からバスで帯広に来ると連絡がありました。もう1人は…なんと、食事を始めて

すぐに

到着しました!そして、食事が終わったころに、最後の1人がたどり着きました。えらいぞ「しゅ~ちゃん」こと2回生の広瀬くん。こんなに交通機関が乱れても、なんと、全員が集まれたのです。いや~すごい。
 食事が終われば宴会です。いろんなお酒・ワインなどを持ち寄って…、胃の中で適度に混ざって…、アルコールの飲み合わせってあるんでしょうか。それとも今日の疲れからか、みなさんだんだんと眠っていきました。まぁ、飲みながら色々あったんですが…。それはそこにいた人たちだけの

ひ・み・つ

ということで…。結局、私が宴会部屋で一番最後まで起きていました。みんななんでそんなに酒に弱いんだ!!
 部屋に戻ると、同室の人がテレビを見ていました。…が、いつの間にか私も眠っていたようです。

…つづく。


列車名乗車駅発車時刻到着時刻下車駅乗車距離
特急「オホーツク9号」(札幌)(23:00)7:30網走374.3km
レンタカー網走  帯広200km弱

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